今回はマセラティ クワトロポルテ (M139)の
クラッチ交換の作業をご紹介します
今回のお客様のご用命は
「発進時振動大、変速時ショック大」
試乗点検したところクラッチ系統の
不具合が考えられるため
トランスミッションを下ろし
点検を進めます
クワトロポルテM139の前期モデルは
デュオセレクトというセミオートマチックの
トランスミッションを搭載しています
フェラーリ360モデナやF430などの
F-1マチックと同じで
シングルクラッチのマニュアルミッションを
油圧にて制御するシステムです
(後にトルクコンバーターを使用したA/Tも登場しました)
このシステムはマニュアル車と同じく
ダイレクトな操作感が長所です
しかし半クラッチを多用するような
都心部の渋滞路などの使用方法が苦手で
クラッチプレートの摩耗が進み
発進時の振動(クラッチジャダー)や
変速時ショック大などの症状が出ます
またマニュアルトランスミッションと違い
複雑なハイドリックシステムは
オイル漏れやアクチュエーターの不良が
発生するリスクがあります
今回の車両はオイル漏れなどはなく
ミッションを下ろしクラッチを点検していきます
トランスミッションはエンジン直後ではなく
後方に取り付けられており
トルクチューブというハウジングで
結合されています
(A/Tモデルのトランスミッションはエンジン直後に取り付けられています)
点検の結果クラッチは摩耗限度が近いうえ
クラッチシューはガタが大きく発生していました
フライホイールは点検の結果良好
交換部品はクラッチASSYのみとなります
交換作業後トランスミッションを復元し
診断機を用いてキャリブレーションを行います
キャリブレーションは基本調整のようなもので
新しいクラッチのミートポイントや
繋がり具合をコンピューターに学習させます
この作業が正しく行われないと
新しいクラッチに交換してもギクシャクして
スムーズに発進、変速ができません
キャリブレーションが完了したら
試乗点検を行い
スムーズに作動することを確認後
作業完了となります
当店では各部門のスペシャリストが
お客様のお車に最適な作業を
ご案内させていただきます
国産車・輸入車の整備、修理
新旧問わずお問い合わせください
この記事を書いた人
S&Company大阪整備
前田英祐
国家一級自動車整備士