本日ご紹介する作業は
アウディ RS5 (5F)
サーモスタット交換です
お客様のご用命は
「エンジン警告灯が点灯する」
診断機を接続し故障コードを確認すると
エンジン冷却水温度が
規定外という旨の故障コードが入力
しかし診断時はエンジン冷却水の
規定値と実測値には差がなく
水温センサーの不具合が
不再現なのかなと思いました
しかし現象確認を続けると
冷間時に故障コードをリセットして
暖機させている途中に
故障コードは入力し
暖機後に故障コードをリセットして
点検すると故障コードは入力しない
暖機後にオーバーヒートする様子もない
…という条件が見えて来ました
暖機途中のエンジン冷却水温度は
規定値は冷たく
実測値は徐々に温まってくる
このことから
暖機前、冷却水をラジエターへ
循環させないよう機能している
サーモスタットに不具合があると推測
サーモスタットは電気式となっており
開きっぱなしなのではないかという
見立ての上分解点検を始めます
ちなみに余談ですが
フォルクスワーゲン系のサーモスタットは
電気式となっていますが
電気でサーモスタット自体を
開閉しているわけではありません
サーモスタット自体は以前からある
ワックスペレット型ですが
そのワックスには熱線が入っており
PWM制御(デューティ制御)されています
そのため制御信号が大きくなっても
開くまでには時差がありますので
診断時にこれは知っておく必要があります
話を元に戻して
なかなか外すのも大変な位置に
ついているサーモスタットですが
取り外し単体点検を行ったところ
やはり全開の状態で固着していました
上から流水を流すと
そのまま下へ流れ落ちていきます
しかし新品はノーマルオープンではなく
しっかりと閉じていて流水を下へ流しません
この時点でサーモスタット不良が確定です
新品のサーモスタットを組み付けて
冷却水の補充、エア抜きを行い
診断機にて測定値を取りながら
暖機していきます
交換後は冷却水温度の規定値と
測定値に差はなく
エンジン警告灯は点灯しなくなりました