
こんにちは。
作業内容は点検整備のみでしたが
珍しいお車が入庫しましたのでご紹介します。
オースチン1300GT:英国が生んだ小さなスポーツセダン
イギリス車の歴史の中で、「GT(グランドツアラー)」の称号を持つ車といえば、大排気量のスポーツカーを思い浮かべるかもしれません。しかし、そんな中で異彩を放つのが オースチン1300GT です。コンパクトなボディにスポーティなエンジンを詰め込み、実用性と走りの楽しさを両立させた一台。今回は、この隠れた名車 オースチン1300GT の魅力を深掘りしていきます。
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■ オースチン1300GTとは?
オースチン1300GTは、イギリスの ブリティッシュ・レイランド(British Leyland) によって1970年に発表された小型セダンで、ADO16シリーズ のスポーツグレードにあたります。
ADO16シリーズは、ミニの成功を受けて開発された小型ファミリーカーで、オースチン、モーリス、MG、ライレー、ヴァンデン・プラなどのブランドで展開 されました。その中で 1300GT は、オースチンとモーリスの両ブランドからリリースされ、標準モデルよりもパワフルなエンジンとスポーティな装備を持つ特別な仕様でした。
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■ スタイリングとデザイン
オースチン1300GTは、ADO16シリーズの洗練されたボディにGTならではのスポーティな演出が加えられています。
ブラック仕上げのフロントグリル
GTバッジ付きの専用エンブレム
ボディサイドのストライプデカール
丸形フォグランプ付きのフロントデザイン
専用デザインのホイール
全体的に精悍なイメージが強調され、スポーツセダンらしい仕上がりとなっています。
■ エンジンと走行性能
オースチン1300GTは、通常の1300シリーズよりも高性能なエンジンを搭載していました。
1.3L 直列4気筒 OHVエンジン(70馬力)
ツインSUキャブレター採用
4速マニュアルトランスミッション
前輪駆動(FFレイアウト)
このエンジンは、ミニ・クーパーSにも通じる技術を採用しており、小型車ながらもキビキビとした加速を実現。0-100km/h加速は約13秒と、当時の小型セダンとしては十分なパフォーマンスでした。
また、サスペンションには ハイドロラスティック・サスペンション を搭載。これは流体を利用した独自のシステムで、快適な乗り心地と優れたハンドリングを両立していました。ミニのようなゴーカート感覚の走りと、セダンならではの快適性を併せ持つのが1300GTの魅力でした。
■ 実用性と快適性
スポーティな1300GTですが、元はファミリーカーとして開発されたADO16シリーズの派生モデルのため、実用性も抜群です。
広めのキャビンスペース(ミニよりも余裕のある室内空間)
トランク容量も十分(当時の小型車の中では優秀な収納力)
乗り心地の良いサスペンション(スポーツモデルながら快適な走行性能)
日常の足としても使いやすく、それでいてスポーティな走りを楽しめるのが1300GTの魅力です。
■ オースチン1300GTの現在
オースチン1300GTは、1970年から1974年にかけて生産されましたが、現存する個体は少なくなっています。そのため、クラシックカーとしての価値が高まり、コレクターズアイテムとして扱われることも増えています。
イギリス国内や日本でも愛好家の間で人気があり、レストアされた美しい個体がオークションなどに登場することもあります。シンプルな機構のため、レストアやメンテナンスも比較的しやすいのが魅力です。
■ まとめ
オースチン1300GTは、実用性とスポーティな走りを兼ね備えた英国の名車です。ミニほどの知名度はないものの、ADO16シリーズの中で最もホットなモデル として、今なおクラシックカーファンの心を惹きつけています。
もし 「クラシックな小型スポーツセダンを楽しみたい」 という方がいれば、オースチン1300GTは間違いなくチェックすべき一台です。
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