
今回ご紹介する作業は
マセラティ・グラントゥーリスモ
お客様のご用命は
「クラッチ交換」です
マニュアルトランスミッションを
油圧制御でコントロールする
セミA/T「カンビオコルサ」
イタリア語で
レース用トランスミッションを意味します
ミッション構造は
マニュアルトランスミッションと同じのため
クラッチが搭載されています
このシステムはマグネティックマレリ製で
フェラーリの「F-1マチック」や
ランボルギーニの「E-gear」と
同じ構造になっており
当社でも多数の整備実績があります
グランツーリスモは
リア側にトランスミッションを備えており
トランスミッションの側面に
シフトを制御するアクチュエータが
取り付けられています
またアクチュエータを制御する
多数のバルブはトランスミッション上部に
取り付けられています
クラッチはエンジン直後の
フロント側にあり
トルクチューブを介して
トランスミッションに動力を伝えます
クラッチを交換するには
トルクチューブとトランスミッションを
脱着する必要があります
早速トランスミッションを外していきます
トランスミッションの取り外しが終わったら
シフトアクチュエータとバルブブロックに
漏れがないことを確認し
クラッチの交換に入ります
クラッチ交換とセットで
レリーズベアリングと
ストロークセンサーを交換します
いずれも不具合が起きた場合は
トランスミッションの脱着が必要なため
同時交換を推奨しております
レリーズベアリングは
人間がクラッチ操作をする代わりに
伸び縮みする油圧室を備えており
レリーズシリンダーとベアリングが
一体になっているような構造です
このレリーズベアリングの作動も
トランスミッション上のバルブブロックが
制御しています
ストロークセンサーは
このレリーズベアリングの伸び縮み量を
測定するために取り付けられています
全ての部品の交換が終わったら
トルクチューブと
トランスミッションを復元して
診断機を接続し
クラッチの新しい数値学習と
ブリーディング作業を行います
このブリーディング作業によって
レリーズベアリングを交換した際に
油路に入ったエアーを排出し
正確なクラッチ制御を行えるようにします
ブリーディング作業が完了したら
試乗点検を行い
作動や漏れを確認して
作業完了です
当店では各部門のスペシャリストが
お客様のお車に最適な作業を
ご案内させていただきます
国産車・輸入車の整備、修理
新旧問わずお問い合わせください
この記事を書いた人
S&Company大阪整備
前田英祐
国家一級自動車整備士