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京都の酒場と大学生と。

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いま雑誌の京都特集のために毎日、大阪から京都へ通っています。雑誌の特性上、酒場がほとんどなのですが、木屋町、祇園などの繁華街をウロウロと歩いています。
いつも感じることなのですが、京都は歩いている人が、とにかく若い。春休みシーズンということもあるのでしょうが、大阪の梅田に比べると、かなり若い。
もちろん、年配の観光客や地元民もいるのでしょうが、体感的に若い人が多いように思います。まぁ、若い人にばかり目が行くのかもしれませんが。
もちろん(二回目)、理由はあって、それは街の中に大学が多いこと。京都はコンパクトな街なのですが、その中にひしめくように大学があります。街の雑誌を編集してきて、いろんな街を見ていますが、やはり京都は大学生が多い。
少し前に郊外へキャンパスを移す大学も増えたのですが、最近はまた市内へと戻ってきているようです。
さて、大学生が街に多いとはどういうことか。それはつまり、店でアルバイトする人が大学生も多いということです。酒離れ、と言われていますが、京都の酒場に行くと、かなりの数の大学生が働いています。
ぼく個人も、大学生の時にバーでアルバイトをしていて(いまから思えば、かなり使えないスタッフだったと猛省です)、そこでオトナの作法、バーの作法、オトナの事情(痴情?)などなど、目の当たりにして学んできたように思います。だから、バーに入るハードルは、一般的な大学生よりも低かったかと。
バーとかスナックとか、誰かに連れて行ってもらわないと、なかなか行けないもんですよね。特に20代の前半だと、お金も不安ですし。
でも、アルバイト先であれば、お金をもらった上にいろいろと見ることができるので、一挙両得というか。お酒が絡むので、いやな場面に出会うことも多いでしょうけれども。
そんなわけで、酒場に行くといろんな大学生が働いていて、おじさんとしてはほほえましく見ています。完全に、孫を見るような感じですね。
そこでは、いろんな子がいるわけで、どんくさいのから、愛嬌のある人、なんかふてくされた感じのお姉ちゃんまで。接客業なので、とかく個性がでます。
そんな中でも、天才的に接客業に向いている人に出会ったりします。とにかく気が利く、気がつく、という。おそらく、店全体が見えているのでしょう。
会話が上手いというのもありますが、こちらのグラスが空きそうになれば、サッと「おかわりいれましょうか?」と訪ねてくれる。ヒマそうにしてれば、なんかひと言かけてくれる。表から、のぞいているお客さんがいたら、これまたサッと声をかけて呼び込むなど。
接客業として、当たり前といえば当たり前なんですが、自然体ですべてが出来てるからイヤミがないというか。こういう天性のスタッフは、見ていると、店主が逐一教えているというわけではなさそうなんですね。
気が利く、気がつく人は、どんな仕事でも出来そうですが。
ただ、これは大学の街の弱点でもあるんですが、いくら良いスタッフでも、彼らは大学生。4年経つと卒業してしまう。
そのままスタッフとして残る人もいるでしょうが、それはごくわずかで、大多数は就職していってしまいます。お店としては、せっかく育ったスタッフが、という気持ちもあると思います。
それが悪いわけではないです。毎年新しい若い人がどんどん入ってくるというのは、街としてはすごく活性化されるので、京都が伝統ある街だけれども、いつもどこか新しいのは、大学の街だから、というのは理由になりそうです。

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この記事の執筆者

竹村 匡己

Masaki Takemura

SAVVY編集長

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SAVVY編集長。出生地は京都は伏見。でも、稲荷的な伏見ではなく山のほう。保険会社のSEを経て、京阪神エルマガジン社入社。エルマガジン、サヴィ、リシェ、ムックと転戦し、ミーツ編集部へ。MeetsRegional編集長(五代目)を経て、再びサヴィ編集部に。2019年9月より現職。タイニーでショートカットな女の子に弱いです。

この記事の執筆者

SAVVY編集長。出生地は京都は伏見。でも、稲荷的な伏見ではなく山のほう。保険会社のSEを経て、京阪神エルマガジン社入社。エルマガジン、サヴィ、リシェ、ムックと転戦し、ミーツ編集部へ。MeetsRegional編集長(五代目)を経て、再びサヴィ編集部に。2019年9月より現職。タイニーでショートカットな女の子に弱いです。

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