新元号になってから一ヶ月が経とうとしている。
まだ新しくやって来た転校生の名前を呼ぶようなぎこちなさが
自分の中にあるのだが、これから平成という時代との境目がだんだん薄れていくのだろう。
そういう時代の変わり目だから、最近90’sの洋楽を好んで聞くことが多い。
90年代の洋楽、特にアメリカにスポット当てて今回のコラムは書いてみたい。
80年代のアメリカの音楽は派手で分かりやすい商業的なロックが全盛だった。
BON JOVI、POISON、Motley Crue・・・などロン毛にメイク。
ミュージックビデオはデカイアメ車にブロンド美女というとても分かりやすい時代だったと思う。
それに対しての90年代はカウンターカルチャーとでも言うべき、退廃的な、陰鬱な音楽が10代を中心に人気を博していく。
その中心にいたのがもはや伝説のバンド、
「Nirvana」
1991年にその後の音楽を変えたエポックメイキングな作品、
“Nevermind”がリリースされる。
あまりにも有名なこの作品。
最初に“Smells Like Teen Spirit”を聞いた時のことを今でも覚えている。
単調なギターリフから始まり、そこから急に人が変わったように激しくなる。
当時高校生だった僕はまさしく衝撃を受けた。
「なんなんだ!この鬱憤として気持ちを晴らしてくれる曲は!!」
それからニルヴァーナは社会現象とも言える人気バンドにすぐになって、取り巻く環境が恐ろしく変わり、フロントマンのカート・コベインは1994年に自ら命を絶ってしまう・・・。
ちなみに代表曲であるSmells Like Teen Spiritは当時付き合っていたカートのガールフレンドが「カートは制汗剤(Teen Spiritという商品があった)の匂いがする」というのから付けたらしい。
さて、ロックのアイコンがNirvanaならば90年代というのはhip hop、R&Bのアーティストが台頭した時代でもある。
中でも女性グループの活躍が目覚しかった時代。
T—ボズ、レフトアイ、チリの三人からなるTLCは1992年にデビュー。
2枚目のシングル、「Baby,Baby,Baby」が全米チャートで2位を記録。当時、本格的なガールズヒップホップユニットは少なかった。
彼女たちの快進撃は90年代をまさに駆け抜ける。
4つのグラミー賞を獲得し、アルバムのセールスは6,500万枚という
ガールズR&Bグループとして史上最高の売り上げを誇る。
彼女たちが発信するメッセージは当時の、特に10代の女性達に支持され、
特にメンバーのレフト・アイはコンドームを眼帯にするファッションなども注目された。
しかし、2002年、不慮の交通事故によりレフト・アイは命を落としてしまう。
このニュースを聞いた時は本当にショックだった。
TLCが1999年にリリースした“それまでないがしろにしていた、ファンへのお詫び”という意味が込められたアルバム“ファンメール”。
この作品に収録されたUnprettyという曲は外見の美しさばかり求められる、求めてしまう世間や自分に対して内面の強さと美しさの大切さを歌った曲。
リリースから20年経った今でも、いや今だからこそより響く曲ではないだろうか?
TLCのこの曲を知らない人にぜひ聞いてもらいたい。
ちなみに、TLCは現在もT-ボズとチリの二人で活動している。
他にも紹介したい90年代の音楽、アーティストがいるのだが、今回は特にこの2組をピックアップ!
また機会があれば90s特集邦楽編もやってみようかな。