D1GP、及び世界のドリフトシーンに新たな風を送り込むA90スープラ。
その初陣の舞台となったのが筑波サーキット。しかし天候は雨。
初戦の結果としては目まぐるしく変わる天候の影響もあり、華々しい結果を残す事は出来なかったが、川畑選手がR35を初めて実践投入した2014年の富士も今回と同様に雨だった。その後の川畑選手とR35の活躍はもはや説明不要だ。っという事で全く不安要素は無いだろう。
川畑選手の輝かしい歴史を遡ればS15や180SXといった定番車種で数々の栄光を獲得してきた。未だにD1GPでは勝つ為への最短距離としてS15をチョイスするのがセオリーと言える。
しかし、同じ事をやり続けてはダメ。なによりも「見ているお客さんを楽しませる事が出来るのだろうか?」という事に繋がるわけだ。
R35に乗り換えた時もそうだが、日本の新しいスポーツカーでドリフト競技を盛り上げていきたいというマインドは川畑選手の中に常にあるはずだ。
また、新しい事をしていても、それを自己犠牲を伴って続けている状態もダメ。それは1人の情熱が途絶えた時点で、全てが無となるからだ。新しい事を新しい人脈、及び組織で包括的に進めていく。これでようやく歴史に物事を刻む事が出来るのだ。今回のA90ドリフトプロジェクトはまさにこれら全ての要素が揃っている。
発売前の車両を先行してドリフト競技用に開発を許される異例ともいえる協力体制。トヨタ側でこのプロジェクトを取り仕切るキーマンの手腕とも言えるが、トヨタ自動車社長直下プロジェクトのGazoo Racingの影響は大きい。嘗てモリゾー社長が川畑選手がドライブする35RXの助手席に乗った際に大層感動したそうだ。その時のトヨタには、GT-Rとタメを張れるクルマが無くて内心悔しかったはずだ。その強い思いが今回のA90スープラドリフトプロジェクトを大きく動かしたのだろう。
2019年のD1GPは筑波、十勝、エビス、オートポリス、っデュアルファイナル形式とは言え開催地は4か所のみだ。その走りを自分の目で見る機会は限りなく少ないが、今後熟成の進んだA90スープラの活躍を可能な限り追い続けたい。
あ、川畑さん “マサトカワバタ パーカ”時々で良いので着てくださいね(笑)
※アザーサイドストーリーとしてコチラのTokyonurのカバレッジも併せてご覧ください。