スパイスカレーなる言葉が登場して10年あまり。
ここ最近は、テレビでも雑誌でもスパイスカレーの文字をみることが増えました。
どんなカレーでも、スパイスは入っているので、カレーであればスパイスカレーなのですが。
インド的なカレー、シチューっぽい欧風カレー。
かつて日本のカレーといえば、この2種がほとんどでした。
(もちろんタイ、スリランカ、インドネシア、パキスタンなどなどいろいろありますが)
この2つの流れに加えて、冒頭のスパイスカレーなるジャンルができました。
では、そのスパイスカレーとは何か?
実は定義はなくて、強いて言うならば「自由であること」でしょうか。
なんのこっちゃ? ですよね。
大阪のスパイスカレーというと、和出汁を使っているとか、副菜をモリモリと盛って映えるヴィジュアル、とか、いろいろありますが、特に決まりはありません。
スパイスを使った何か、くらいのものでしょうか。
だからこそ、「スパイスぶっかけ飯」という店主もいるくらいです。
もともとはインド(特に南インドとスリランカ)のカレーからの派生が源流と思われるのですが、枝葉が広がり過ぎていて、もはや誰にもわからない状況です。
今でこそ全国的な広がりを見せるスパイスカレーですが、まだまだ大阪の数の多さとクオリティの高さには、一日の長があります。
毎日のように新店舗が増えてますし、街角ごとに店があると言っても過言はないかもしれません。
大阪でのみここまで発展した理由はいろいろあるようです。
まずは、「やってみなはれ」な、美味しくておもろかったらなんでもありな気質。
よそとはちゃうもん作りたいという気質とも通じると思います。
東京と大阪の違いでもあるのですが、東京は原理主義的に深掘りするのに対して大阪はバリエーションを広げる横の動きが多い気がします。
(例えばチューハイ(関東ではサワー)。東京ではレモンサワーの専門店としていかに美味いレモンチューハイを作るかに尽力しますが、大阪だとチューハイ専門店としてスイカやらイチゴやらはてはガリまでと種類で勝負という感じです)
味のことで言えば、混ぜ焼きと言われるお好み焼きの影響とかも言われてますが、まあはっきり言ってようわかりません。
あとは、間借り(別の店舗を時間借りすること)が浸透したことで出店のハードルが一気に下がったこと。
店舗数が増えたことで、次々とはしごできるようになったこと。また大阪は平野なのでチャリで気軽にはしごできることなどなどいろんな要因があるようです。
とはいえ、理論づけしてどうこうというのも大阪的じゃないなあとも思います。
なんかおもろいやん、っていうのが実のところといいますか。
そのバリエーションの広さが大阪スパイスカレーの面白さなので、大阪に来てあれこれ食べ歩くとなんとなく感覚でつかめるのじゃないかと思います。
そこにしかない文化っていうのが、やっぱり大事だなぁと思います。