じっとり、ねっとりと水飴みたいなこの湿度にやられている。
「梅雨」である。
スッキリとしない天気になんだか気分も上がらない。
年々更新されていく最高気温に身体も心配だが、湿度の方は精神的にダメージを与えてくる。
気分を上げよう!と音楽を聞いてみるもなかなかシックリ来る音楽が見つからない。
「音楽」というのは土地と密接な関係にあるように思える。
ゆるいリズムが特徴のレゲエはジャマイカの人たちの生活のリズムと合っているし、ニューヨークのブロンクスで生まれたヒップホップは当時の時代の空気感の中から生まれた音楽。
そんな音楽と土地が密着している場所と言えば、「イギリス」
ビートルズやストーンズと聞いてユニオンジャックの旗が浮かぶ。
イギリス北部の都市、マンチェスターは産業革命が起きた場所で、その後工業地帯として発展。熱狂的なサッカーファンとワーキングクラスの町で生まれたのはJoy DivisionやStone Roses、そして、Oasisというバンド達。
他にも、ロンドン中心部からすぐのカムデン地区はパンクロックのムーブメント発祥の地。
音楽と町が密着している。憧れの国。
そんなイギリス、ロンドンへ行って来た。
久しぶりの海外。ロシアとウクライナの戦争の影響で今までの航路ではなく、アラスカ、北極上空を通るルート。大阪からロンドン・ヒースロー空港まで17時間のフライト。
ロンドンを訪れるのはほぼ初めて。
前回は大学の卒業旅行でフランスに行った帰りにほんの数時間滞在しただけ。
今回の旅の最大の目的は日本のロックバンド、RADWIMPSのロンドン公演を観に来た。
日本で10代、20代を中心に絶大な人気を誇るRADWIMPS。
新海誠監督の作品に劇判と主題歌を手がけ、映画のヒット共にRADWIMPSの人気は
ワールドワイドに。
4月には北米ツアーを行い、5月はヨーロッパツアー。
そのヨーロッパツアー初日がロンドンだった。
ライブ会場は先ほども少し触れたパンク発祥の地、カムデン地区の中心地、カムデンタウンから徒歩10分ほどのRoundhouse。
ここは1860年代に建てられた歴史ある建物で、元々は列車の方向を転換する転車台があった場所。
まさしく円形の建物で、中に入るとステージを客席がぐるりと囲むようになっている。
ローリング・ストーンズやレッドツェッペリン、エド・シーランなど錚々たるアーティスト達がこのRoundhouseのステージに立っている。
会場のキャパシティは3,300、RADWIMPSのチケットは一瞬でソールドアウト。
日本のアーティストが海外でライブを行うと現地に住んでいる日本人の姿が多く見られるが、RADWIMPSのライブは地元のロンドンっ子や中国、インドネシアなどからの留学生が多く、日本人の姿はそこまで多くなかった。
ライブ開演5時間前から会場には列が出来ていて、あらためて人気の高さと観に来たファンの熱量の高さを感じた。
ステージのRADWIMPSは日本でのライブと同じように迸る情熱と観客からのエネルギーを受けて素晴らしい演奏を世界に向けて放っていた。
会場のファン達の多くはRADWIMPSのライブを初めて観るという人たちが多く、「ようやく会えた、そして、本当に存在するんだ!」というそんな想いが爆発していた。
何より、遠く日本からやって来たバンドの音楽をこんなにも沢山の人たちが熱狂的に愛しているのを目の当たりにして音楽の持つ力を改めて感じた。
今回、ロンドンに訪れて感じたことは街の度量の大きさだった。
イギリスは長い歴史の上に様々な文化と言語と人種が重なり合い、独自の感性が生まれているように感じる。
もちろん移民などの問題もあるのだろうが、社会として受け入れる大きさがあるように思えた。
たった3日間の滞在なので表面的なところしか見えていないが、それでもまた行きたい!と強く思う場所。次はもう少しゆっくり滞在したいな・・・。
あ、懸念していた食の話はまた今度!